『45分でわかる・14歳からの世界金融危機』
池上彰著・マガジンハウス・2009より
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サブプライムローンを組み込んだ証券化商品が、世界中に広がっていた。
2007年はじめ、住宅バブル崩壊で、サブプライムローンのこげつきがはっきりしてきた。
サブプライムローンを組み込んだ証券化商品が、福袋から闇ナベに化けたように見えた。
証券化商品をたくさん抱えていたヘッジファンドに対する不安が広まった。
金融機関同士が疑心暗鬼に陥って、銀行間の「コール市場」が麻痺した。
ヘッジファンドが日本株をふくめて株を大量に売った。
2007年夏、日本の株式市場で株価が暴落した。
株で儲からなくなったので、投機資金が原油先物市場へ向かった。
同時にイランの核開発問題で緊張が高まり、原油の値段が跳ね上った。
代替エネルギーとしてのバイオエタノールが注目され、穀物価格が暴騰。
お金の流れが止まって、金融危機が深刻化した。
現金を手元に置く動きが強まった。
原油と穀物のバブルがはじけた。
2008年9月、リーマン・ブラザーズ破綻。(金融危機第二幕)
ヘッジファンド、投資活動を手仕舞い。
金利が世界最安だった日本で「円」を借りて、金利の高い国に投資していた(円売り外貨買い)のが、
借りていた「円」を返す動きに変わった。(円買い外貨売り)
一気に円高に。
円建てローンがあったオーストラリアやアイスランドでは、返済額が大幅に増加。
アメリカ州債も売れない。地方経済悪化。
自動車ローンが組めなくて、自動車が売れなくなった。
2008年夏には一時1バレル140ドルだった原油が、2008年末には30ドル台に。
ドバイのバブルがはじけ、オイルマネーの動きも止まった。
日本では社債が売れなくなった。
銀行に融資の申し込みが殺到。
株が値下がりして銀行の自己資本比率が下がり、融資額を減らさざるを得ない。
地方銀行にも融資の申し込みが来るようになった。地方にお金が回らない。
信用収縮の状態。
大手銀行、新株発行による自己資本増強。
欧米では公的資金導入。
2008年12月16日、アメリカFRB、金利を事実上ゼロにした。
住宅ローン担保証券買い上げ方針を示した(その後どうなったか、私は知らない)
2008年12月19日、日銀も金利引き下げ。
企業が発行するCP(コマーシャルペーパー:満期が1年以内の短期社債)も買い上げることにした。