a、大気と海の水の循環


                                    小説:スペイン太平洋航路目次



宇宙から見た地球には、常に渦巻く雲の模様が見える。
雲は大気の循環の表れであり、その下には海の水の循環があるのだ。

現在、日本から北アメリカに向けて大量の輸出がなされているが、
その多くが北太平洋の航路をたどる。

それは、風と海流が、北太平洋では日本からアメリカに向かっているためで、
経済効率の良いルートだからである。
しかし現状では、ここにこのようなルートがあることさえ、良くは知られていない。

いつからこのようなルートが使われ始めたのか。

歴史では、コロンブスがアメリカを発見したことになっている。
太平洋を東から西へと初横断したのはマゼランだということになっている。

歴史をよく勉強して覚えている人なら、
伊達政宗が仕立てた船で、太平洋を渡ってメキシコに向かい、
ローマまで行った、支倉常長という人の名前を知っているかもしれない。

しかし、日本からアメリカへ向かう航路を、最初に開拓したのはどこの誰か、
という話になると、日本の教科書は、黙して語らない。

実は、この航路の発見者は、スペイン人のウルダネータという人物だということになっている。
しかしその影には、日本人の働きがあったのだ。

私はここで、その真実を語ろうと思う。