『世界歴史大事典』教育出版センター1995より
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「ガレオン貿易」
マニラ・アカプルコ間における、スペインのガレオン船による貿易。
1571年スペイン人レガスピがマニラ湾に入ってきた。
スペイン人は、メキシコ・ペルー産の銀・銅や洋紅・カカオをもって、
中国産の絹布・象牙細工・金糸銀糸の刺繍・碧玉・硬玉・磁器・白檀・製箱物などで交換貿易を始めた。
これらの物資を太平洋の東西をはさんで運んだのがガレオン船で、マニラは東洋の豊富な商品集散地となった。
つづいて、マニラには中国産以外の香料・薬草・樟脳・麝香(じゃこう)・硼砂などが集まり、
また、アカプルコからはチョコレート・チーク材・タバコが寄航するガレオン船に積まれた。
1700年に禁止されたが、フィリピンから奴隷が運び出されたこともあった。
太平洋に進出してきたイギリス船によって、捕獲されたガレオン船は、1587年カヴェンディッシュによるもので、
そのあとも被害はあったものの、少数であった。(松永秀夫)