国家・君が代について
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都庁による君が代不起立による教員処分決定のニュースがありました。
現在、どこの国でも国歌があり、行事では斉唱するのが普通です。
ですから、国歌斉唱、そのこと自体に違和感があるわけではありません。
しかし私は、「君が代」は変だと思います。
「君が代」国歌認識の背景にある「歴史の始めから天皇家」というのは本当でしょうか。
「古墳時代と天皇家」の関係は、非常に疑問です。
誰でも知っていますが、古事記・日本書紀は、古墳時代には全く触れません。
350年間ほどの古墳時代。全国に築かれた前方後円墳は、少数の前方後方墳を含めれば、
総数約5200基にもなります。(近藤義郎編『前方後円墳集成・全6巻』山川出版社)
しかし教育では、この「総数」という観念すら出てきません。
海外にも出したがらない様子。おかしいのではないでしょうか。
前方後円墳5200基という、この世界史的にも珍しい事実を、
「不都合だと認識している人々」がいるような気がします。
記紀が成立した時代には、まだ、全国の交通の要所要所に、
前方後円墳が、巨大な人工構造物として見えていたはずです。
もしそれが緑の小山に変化していたとしても、人工物であることの記憶までは、
消し去ることはできなかったでしょう。
直接・間接に造営工事に関わった人々は、全国民に及ぶのではないでしょうか。
計画し、手配し、測量し、築造や埋納品製造の技術を伝え、人々を動員し、
鉄や木などの材料を加工し、道具や運搬具などの器具を作り、
運搬や動員のための、陸海の交通路を確保し、
作業者たちの衣食住を準備し・・・
全国に巨大なモニュメントが出来て行くのを、知らない人が、どれくらいいたでしょうか。
天皇家が古墳時代の運営に関わっていたのなら、この「全国の活動」について、
一言たりとも言及しない、というのは、おかしいのではないでしょうか。
少なくとも、「この時代に天皇家が関わった、という証拠は、今なお提出されていない」、
ということは、言えるのではないでしょうか。
これは非常に変です。「君が代」は大きな疑問を抱えているのです。
この疑問を踏まえて、強制というやり方ではなくて、
国歌ということを、もう少し別の方向から考えてみるべきだと思います。
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私は、南京事件が起きる前の、1935年(昭和10年)に書かれた、東大西洋史の、
今井登志喜『歴史学研究法』(東大出版)を全文サイトUPし(検索可能)、
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/genndaibunn.rekisigakukennkyuuhou.html
その研究方法の原則「史料批判」を、一般流通させたいと思っている者です。
私の一般流通用レジュメ:「歴史と証明・理論編」(検索可能)
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/rekisitosyoumei.rironnhenn.html
今井「史料批判」は、史実の確認作業を具体的に説明した「歴史学の基本」です。
皆様方も、是非、目を通してみてください。
(記紀が古墳時代を書かないのは、
今井「史料批判」の内的批判・虚偽の例「沈黙の虚偽」
に該当するのではないでしょうか。
「今のところ」、天皇家は古墳時代には、社会の運営に関わっていたとは「言えない」、
ということは言えると思います。
*****ご注意****
私はまた、南京大虐殺・従軍慰安婦問題でも、超有名研究者たちがスパイではないか、と、
大量にメール送信してもいます。
南京大虐殺・従軍慰安婦問題では、
資料が本物かどうか、証言内容に虚偽が含まれていないか、
こういう基本的な検討が、なされておりません。
今井著『歴史学研究法』は、南京事件・従軍慰安婦問題を解く、最も重要な鍵です。
現代史専門家は、今井登志喜「史料批判」の原則を、踏みつぶしてきました。
どのように踏み潰してきたか、を、以下のページに書いてあります。
「研究者たちがスパイでは?」(このタイトルで検索可能)
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/kennkyuusyatatigasupaideha.html
私には、秦郁彦・藤原彰・渡辺春己・吉見義明、
この超有名研究者・弁護士4人の方の言行が、極めて疑わしく思われます。
史実の確認作業の説明(=今井登志喜「史料批判」)を歪曲・隠蔽する行動がはっきりしているので、
謀略宣伝工作に従事する「スパイ」に見えるのです。
この方たちが採用してきた資料は、全面的に再検討の必要があります。
そもそも、今井「史料批判」の源流はドイツ実証史学でした。
しかし世界の思潮から、その考え方が、無理やり消されてきています。そこに問題があると思います。
間違ったやり方をしてきたことについては、訂正するのが当然です。
「研究者たちがスパイでは」のページ内容は、大量送信しているものです。
どこからも返事が来ておりません。反論なりともいただければ、大変ありがたいです。