南京大虐殺・手書き現物史料「未調査」問題

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1986年刊、秦郁彦『南京事件』中公新書に掲載されている元兵士日記は「ニセモノ」です。
当時の日本の著名人の手書き文字と比較してください。

1932年生まれの秦郁彦氏、そのご両親世代は1984年より後に生まれたと思われますが、
ご両親の世代でも、横関係の日用手紙には、ほとんど現代ひらがなを使っていました。

つまり、秦氏は、南京事件当時の大人は、日用には現代ひらがなを多く使うのを知っていて、
変体仮名多用の奇妙な文書を、「南京事件の確かな証拠である元兵士の日記」として載せているのです。

80歳(1933年生まれ)以上のお年の方に、1937年の南京事件の頃の大人は、
日用文にこんなに変体仮名を使ったかどうか、聞いてみてください。

戦前は、元来、旧字体しかなかったので、漢字を書くのに、早書きの草書が活躍しています。     

だから、草漢字を見ないで、変体仮名だけを比較してください。

現物写真版:南京事件の元兵士の手書き日記(解読と変体仮名の解説は、写真の下段)             
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/syasinnbanniiemataitinikki.html

(「く」「な」の異体字を含む変体仮名は全部で「11種類40文字」。
    戦前には存在しなかった、現代仮名遣い「いる」(戦前は「ゐる」と書いた)) 

しかし、実際の日本人は、この時代、これほどの変体仮名は使っていなかった。そして
難しすぎる画数の多い数字の日付なんて、昭和10年刊行『手紙講座』手紙実例174点では、1点もありません。

〔南京事件時、43歳・39歳の人の文字〕

 佐々木茂索 (簡略変体がな「か(可)」。連綿での横棒のない「る」。他は現代かな表記。)
 井伏鱒二 (現代ひらがな)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakisasakiibuse.html

〔41歳の文字〕

 吉屋信子 (11歳年上の、大正天皇の従姉妹である柳原白蓮あての礼状。
       簡略変体がな「に」。現代では書道風と言える異体字「ま」。)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakiyosiyanobuko.html

 佐々木味津三
      (現代かな連綿。口語候文。異体字「さ(左)」。)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakisasakimituzou.html

〔39歳の文字〕
 近衛秀麿  (現代ひらがな)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakikonoehidemaro.html
 藤原義江  (現代ひらがな)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakihujiwarayoise.html
 横光利一  (現代ひらがな)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakiyokomituriiti.html


〔38歳の文字〕
 中条百合子(後に共産党書記長・宮本顕治の妻となる、小説家・宮本百合子。
       簡略変体がな「か(可)」。異体字「む」。現代かなの連綿。横棒のある「る」。) 
                                             *(2013年2月14日追加:書道風「ま」)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakinakajouyuriko.html

〔34歳の文字〕(下のはがき)林芙美子 (現代ひらがな)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakihayasihumiko.html


〔33歳の文字〕(下のはがき)永井龍男 (現代ひらがな)
  http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/tegakinagaitatuo.html

33歳以上43歳の、文化人の字がこれです。
井家又一は何者でしょう。


     参考:(論文)南京事件元兵士日記の、偽作の証明に向けての一考察 (古文書学会向け)
         http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/ronnbunn.html


南京事件で根本史料とされている現物史料は、
このように、今でも、全く未調査のままです。

笠原十九司氏・吉見義明氏など、活字印刷物となったものを根本史料として使っています。