林健太郎・遅塚忠躬『史学概論』と自然科学

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遅塚忠躬『史学概論』東大出版がどこの大学で使われるのか知りませんが、
もし使われるなら、学生さんが、
私のサイトに今井著全文が掲載されていると気がつくのは、
時間の問題でしょう。

そこで私は言っておきたいと思います。

私は、遅塚先生が参考にされた、林健太郎著『史学概論』の中の、
自然科学と、歴史学を含む人間科学との二分論には、
真っ向から反対する者です。

ただし、マルクスも、間違っていると考えています。

私のサイトに、以下のような「今井登志喜と林健太郎」というページを作っております。
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/genndaibunn.imaitohayasi.html

林著の、自然科学は歴史学ではない、歴史学は自然から区別された人間の事物を研究対象とする、
天体の歴史、人類発生以前の地球の歴史は歴史学に含まれない(p7・8)、
という文に、仰天して青くなったことが書いてあります。

なぜなら私は、高校時代にすでに、自然科学から得た知識を元にして、
自然の中の人間の歴史、という世界観を築いていたからです。
その概要もサイト内にあります。 

「物質世界と人間」http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/bussitusekaitoninngenn.html
「空中写真で見た世界」http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/kuutyuusyasinndemitasekai.html

これは、全く高校の自然科学そのままの世界を基本にしております。
しかし、林健太郎氏とも、マルクスの唯物史観の根底にある自然観とも、
まるで違うもののようです。

ですが、私は、
今井登志喜の『歴史学研究法』が説明している「史料批判」の考え方の根底とは、
共通のものであると考えています。

「史料批判・要諦」
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/rekisigakukennkyuuhou.html

史料批判という考え方は世界共通のはずだと思うのですが、
最近、これを説明した本が見えないため、
「史料批判」をすべての人の共通認識にしたい、
という思いで、短文を作成中でした。

特に偽作の可能性の有無、錯誤・虚偽の項目などは、是非見ていただきたい部分です。

今井・林・遅塚、3人の先生の話は、同じ系譜を引くと称しつつ、
それぞれに違うものですし、
私の言っていることは、それらとも違うものですので、

できれば読み比べて、参考にしていただければ、と思います。