「史料批判」という訳語について
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「史料批判」という言葉は、実は「考証」という言葉とほぼ同じ意味である。
しかし、ドイツで発達した実証史学では、この作業にKritikという言葉が使われた。
この鋭い原語を生かそう、というわけで、この訳語が用いられるようになった。
以上の文は、今井登志喜『歴史学研究法』東大出版に依拠して、少し直した文である。
原文:この訳語を用いることにする。
原文の内容から、「史料批判」は今井登志喜の訳語であろう、と、私は推察している。
なぜこれが気になるか。
「史料批判」という言葉が使われても、内容がまるで違うことがある。
その場合、「史料批判」という言葉の内容について、
具体的には、誰の、何という著作に拠ったのか、となると、全く説明がない。
今井の訳出によるものなら、今井の「史料批判」の内容を知って、それを使うはず。
それなのに、今井の「史料批判」は、全く使われないまま、「史料批判」という言葉だけが独り歩きする。
どういうことなのだろうか?