なぜ今天皇家の起源が問題か 2011.12
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どうして今、天皇家の起源を問題にするのか。
なぜなら、様々な問題が、ここにリンクしているからである。
まず、今井登志喜『歴史学研究法』が絶版となり、
史料批判(考証の方法)について知るための、簡便な本が消されているような気がすること。
これが一般向けにないと、一般人が歴史に関する本を読む時に、
その叙述の背景に存在している、論理構成というものが想像できない。
江戸期成立の戦記物の批判実例を通して、現代まで流布している通説を、
鵜呑みにすることの危険性を考える必要があるのに、それができない。
なぜ今井著が消されるのか。今井著が、その底辺に、
天皇神話批判をも示唆しかねない部分を持っているからではないか。
しかし、問題は天皇神話だけではない。現代史にもある。
史料批判を知らないで、現代史を覆う国家間的な情報操作をも、鵜呑みにする人間を作るのは困る。
たとえば南京事件元兵士の日記の偽作や偽証について、想像だにしない研究者を作るのは困るし、
そうやって流された情報を鵜呑みして、やってもいない?悪事を反省するだけ、という日本人を作るのも困る。l
(南京事件元兵士日記は、使用文字・言葉に疑問が多く、偽造の可能性が高い。参:井家又一日記の日本語)
今、誰が、今井著『歴史学研究法』を邪魔にするのか。
ひとつには天皇神話を守護したい保守の右派。
そしてもう一つは、中国や米国など、極東軍事裁判の正当性を死守したい勢力。
中国や米国が直接、今井著を忌避しているかどうかまでは判然としない。
今井著が広く出回って、誰でも史料批判を知ると、
極東軍事裁判にも批判の目が行くようになるのは確かだが、
しかし今井著には、直接、中米が着目するような具体的な内容がないのも確かである。
だから一番気になるのが、天皇神話守護を目的とする保守の右派なのだ。
とにかく、一般向けの簡便な本になる可能性を持っているのは、今井著だけである。
これを消す、東大内勢力があるのだ。
怪しいのは、戦前のその昔、東大国史を牛耳っていた右翼ではないだろうか、というのが私の気持ち。
そんなに真実を目くらまししてでも、世の中を操作したいのでしょうか。
天皇家に対する遠慮や、国家体制のあり方についての信念もあるでしょうが、権力拡大・社会操作の意志も感じる。
その目指す世の中は、誰にとっても良い社会なのでしょうか。
天皇神話に対する疑問は、今のうちにはっきりさせておいて、情報操作の通らない世の中にしておきたい。
それが私の、正直な気持ちです。
今井登志喜『歴史学研究法』東大出版・全文は次ページ 今井登志喜『歴史学研究法』東大出版